電気主任技術者の年収はなぜ伸びにくいのか|施工管理との差とデータセンターという例外
電験2種を取れば、電気主任技術者として選任される道が開ける。多くの人がそう考えます。
ところが求人の相場を並べると、選任の電気主任技術者よりも、施工管理者のほうが年収が高い求人は、珍しくありません。
資格の難しさや責任の重さと、年収が噛み合わない。その差がどこから生まれるのかを、3つの要点で整理します。
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年収を分けているのは、「選任か、施工管理か」という肩書きではありません。その仕事が止まったとき、事業がどれだけ困るか。 この一点です。
要点1:選任は「必須のコスト」に見えやすい
電気主任技術者の選任は、電気事業法に基づく法定の必置義務です。法律で決まっているから置く。この性質のせいで、企業からは「事業に欠かせないコスト」と見られやすく、売上や利益を直接生む仕事には見えにくくなります。
仕事の重要性が低いわけではありません。ただ、年収を決める物差しは「重要かどうか」より、「利益にどれだけ直結して見えるか」に寄りがちです。
要点2:施工管理は売上の流れの中にいる
施工管理者は、受注、進行、完工という、売上に直結する流れそのものに関わります。工事の進み方が、そのまま利益に響く位置です。
相場も、電験2種の平均年収が500万〜750万円程度(厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとにした調査)とされるのに対し、電気の知識を活かす施工管理職の求人は500万〜1200万円という幅で出ています。
要点3:例外は、データセンターの選任
この構造が当てはまらないのが、データセンターです。理由は、「電気が止まる」ことの意味が、他の施設と違うからです。
一般的な工場やビルなら、短い停電の影響は限られることが多くあります。データセンターは、電気が止まればサーバーが止まり、その瞬間に事業が止まります。選任者が「法令のための存在」ではなく、「事業の稼働を支える存在」として扱われるのは、このためです。
まとめ:職種を選ぶ前に
- 選任者になれば安泰、という話ではありません。
- 施工管理のほうが必ず得、という話でもありません。
- 見るべきなのは、自分が関わろうとしている仕事が、事業のどこに直結しているかです。
note では、この先まで踏み込んでいます
- データセンターの選任の求人で、実際にどのくらいの年収が提示されているか
- なぜデータセンターの選任は、仕事の密度が高いのか(設備と、調整する相手)
- 半導体工場や大規模な物流施設にも、同じ見方が広がる理由
この記事は、キャリアを5つの層で考えるシリーズのうち、「電気業界分析」にあたります。全体像は、電気技術者のキャリア戦略|資格を"市場価値"に変える5つの層にまとめています。